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Sea and The Darkness

音楽

ラストアルバムとなってしまった『Sea and The Darkness』とGalileo Galileiついて。

Sea and The Darkness(初回生産限定盤)(DVD付)

Galileo Galileiを初めて認識したのは確か、アニメ『おおきく振りかぶって』の主題歌だったように思う。あらためて今調べてみて納得したことだが、1期はBase Ball Bearが担当していて、2期はGalileo Galileiが担当していたということからも、いわゆるロキノン系なんて揶揄されるようなバンドの一つ、というくらいの印象しかなかった気がする。それでも曲は耳に残るポップさだし、ロキノン系なんて呼ばれ括られる音楽を嫌いではないというのもあったし、何よりバンド名が多少ダサさを感じつつも印象的だったりして、そんな色々な要因で頭の片隅に記憶された。

だからといってCDを買ったりするわけでもなく時間が過ぎて、再びこのバンドのことを思い出すきっかけとなったのがまたしてもアニメ作品。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』の主題歌で流れた『青い栞』。やっぱり今でもこの曲がこのバンドの曲の中で一番好きだし、夏がやってくると必ず聴きたくなる曲。

この曲が収録された『PORTAL』は本当に何度も、繰り返して聴いているし全く飽きることのない名盤。その魅力は、検索すれば数多の素晴らしい感想に出会えると思うが改めて言うならば、海外のインディー・ロックとJ-POPの調度良い融合を味わえる一時間。このアルバムに影響を受けたであろう年齢の若いバンドの勢いがここ最近は目立っているようにも思うし、そうした点においてもこのアルバムの存在意義は計り知れない。

 

正直な話をすると前作のミニアルバム『See More Glass』を初めて聴いた時にがっかりしてしまった。『PORTAL』から『ALARMS』に至るまで、ある意味国内のミュージックシーンとの断絶を図っていたような印象があったから。海外の音楽への憧れのようなものを日本国内のメジャーシーンにおいて自由自在に、自分たちの好きなことをやってやるんだ、なんて姿勢を感じていたから。せっかく今まで積み上げてきたものを放り投げて、またロキノン系なんて呼ばれるような音楽へ接近していったことが不思議でならなかった。

でもきっとそれはあくまでも一般的なリスナーの一考えでしかなくて、当の本人たちはそんなことお構いなしに、自分たちのやりたいことを、やりたい瞬間にやっていただけなのかもしれないと、今となっては思う。

だから、一リスナーにとっては急展開にも思える活動終了宣言も、きっと彼らにすれば当然の成り行きなのかもしれない。自分たちのやりたいことが、やりたいようにやれなくなったのなら、一度全てを白紙に戻して、また改めて始めればいいじゃないか。なんて、そんなふうにも思える。

 

話をラストアルバムに戻す。

一聴して感じることは、明らかに今までに発表された音源とは全く異なるということ。それは歌われている歌詞で目につく部分が「死」だったりネガティブなイメージを抱くものが多いということ。今までのどちらかというと爽やかな印象を受けるような歌い方とは異なって、絞り上げるような歌い方がまるで生命を削ったかのような鬼気迫る印象を感じさせる瞬間があること。ある特定のジャンルに縛られたような楽曲ばかりではなくて、多様な種類の楽曲で構成されていること。

ラストアルバムであるにも関わらず(ラストアルバムだからこそ?)あくまでも攻めの姿勢を貫くところに、バンドのイメージとはきっと程遠い男気のようなものを感じてしまう。

 

活動終了宣言の少し前に公開されたこの動画を見ると、Galileo Galileiが終わっても彼らの音楽活動は絶対に終わらないのだろうと思わせてくれる。彼らにとって音楽は、日常の中で切っても切れない関係であって、それはバンドをやっているから、曲を作っているから、それで生活しているから、なんてそんなこぢんまりしたものではきっと無くて、本当に音楽が血であり肉であるということを感じられる。

音楽がライフワークである、なんて言葉はなかなか普通の生活をしていては口に出せない言葉。でもそんな言葉をこの動画においてさらっと、何の気負いもなく発言しているように思えるあたり、本当に音楽が無くてはならないものなのだろうなんて思わせてくれる。それはきっとバンドメンバーの総意であるのだろう。だから絶対にGalileo Galileiは音楽をやめることはない。随分勝手ではあるが、そう思いたいし、そう思わせてくれるような期待を活動終了宣言の文章からも読み取れる。

 

個々の新たな活動に注目する時もきっと遠くはない未来で、その時にはこんな文章を書いていたことなんてきっと忘れているくらい夢中になっているような気がする。彼らのこれからにきっと、ずっと振り回されるのだろうなという気が今はしている。